世界最高水準の相続税
2023年3月22日
Aimパートナーズ総合会計事務所です。
日本の相続税は世界の中で比較するとどの程度なのでしょうか。
日本ではどんなお金持ちでも相続を3度繰り返せばほぼ無くなってしまう、とも言われています。
実際のところはどうなのでしょうか。
検討してみましょう!
【目次】
◆ 日本の相続税率の変遷
◆ 世界主要国の相続税率
◆ おわりに
◆ 日本の相続税率の変遷
・1905年(明治38年)
日本に相続税が導入、日露戦争の戦費調達のためでした。
欧米などにならって導入され、当初は臨時的なものとされていましたが、結果として相続税はそのまま存続しています。
・1950年
シャウプ勧告、GHQの意向により財閥への財産集中を避けるため相続税率を90%に設定
・1952年
最高税率は70%に軽減
・2003年
税率を50%に設定
・2023年現在
現在の最高税率は55%(2015年改正より)
◆ 世界主要国の相続税率
日本の最高税率55%、基礎控除額3,600万円にたいし、世界の主要国は、
・フランス
最高税率45%、基礎控除額1,430万円
・アメリカ
最高税率40%、基礎控除額15億3,900万円
・イギリス
最高税率40%、基礎控除額5,297万円
・ドイツ
最高税率30%、基礎控除額5,720万円
※ 相続人数は仮定、為替は直近相場で概算
国によって相続税に対する考え方は様々であり、課税方式に関しても遺産課税方式、遺産取得課税方式などがあり、基礎控除額に関しても各国により異なります。
しかしこうして比較してみると日本はやはり相続税に関して負担が重いと言えるでしょう。
ちなみに相続税がかからない国もあります。
例えば、中国、マレーシア、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、スウェーデンなどがそうです。
◆ おわりに
こうしてみると他国へ資産を移して相続税を免れようするのも理解ができます。
しかし2017年の税制改正によって、海外に資産を移転して相続税を免れるためには、その国に被相続人と相続人が相続発生の10年以上前から居住していることが条件となっています。
相続税回避のために、住み慣れた地域や国を離れ、慣れない生活をして過ごすことはかなりハードルが高いと言えるでしょう。
自分は耐えることができても同伴する家族が音をあげることもあるでしょう。
実行は慎重に検討したうえで行うことが必要だと思います。
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