執行役員の給与の取扱い
2023年3月29日
Aimパートナーズ総合会計事務所です。
仕事をしていて「執行役員」といった肩書を目にすることも珍しくありません。
近年、取締役会の意思決定の迅速化と取締役の過大な責任の回避のため、取締役の数を絞る傾向があることから、取締役ではない役員待遇の幹部クラス従業員に執行役員の肩書を与えているケースがあります。
取締役の就任は株主総会の承認が必要ですが、執行役員の任用は株主総会の承認は必要ありません。
それでは執行役員の給与は税務上どのように扱われるのでしょうか。
【目次】
◆ 執行役員とは
◆ 取締役との違い
◆ 取扱いにおける留意点
◆ 執行役員とは
会社の業務執行を行う重要な使用人の役職として執行役員があります。
執行役員の役職があっても「取締役」でない者は、会社法上の役員ではありません。
例えば、取締役兼執行役員常務など、取締役と兼務することもありますが、取締役ではない執行役員、専務執行役員、常務執行役員などは会社法上の役員には該当しません。
◆ 取締役との違い
取締役は、会社の重要事項や方針を決定する権限を持っています。
これに対し、執行役員は、決定した重要事項を実行、執行する役割を担い、重要事項や方針を決定する権限を持っていません。
ですので、執行役員は法律上の明確な定義はなく、呼称であり従業員ということになります。
取締役は、会社法、商業登記法に定められた役職であり、法務局において登記され、登記簿に氏名が記載されます。
これに対しても執行役員は呼称にすぎないため法務局で登記する必要はありません。
◆ 取扱いにおける留意点
法人税法上の役員は登記されている役員に限定されず会社法よりも広く定められています。
法人税法上の役員の範囲は、
① 実質的に経営に従事していると認められるもの
② 同族会社の使用人のうち、一定の要件を全て満たすもの
となっています。
ですので、執行役員の給与の取扱いにおいて、定期同額、賞与の損金不算入等の規制を受ける「役員報酬」の扱いになるか「賃金」の扱いとなるかは、上記の範囲に照らして検討が必要となります。
損金に算入できるかどうかで法人税等に大きな差が発生しますのでこの取り扱いの差異は会社にとって重要になります。
上記の要件の「実質的に経営に従事」とは、主要な取引先との案件や金融機関との決定権をもっていたり採用人事権の有無などを考慮して評価されます。
要件をしっかりと確認して、執行役員の給与の取扱いがどのようになるか誤りの無いようにしましょう。
問合せ
【夢を貧困につぶさせない 子供の未来応援国民運動】
1クリックすると「協賛企業が」慈善団体に寄付してくれます(1クリック=1円)。
「子供は日本の宝!」
日本の未来のために、1日1回クリックしませんか。
私も毎日、ワンクリックしています。