労働条件通知書の明示事項とは?~今後のルール改正も併せて学ぼう~
2023年11月6日
前回、雇用契約書と労働条件通知書について学び、労働条件通知書は「雇用契約を結ぶ際に、”事業主側から労働者に通知する義務のある事項”が記載されている書類」と記載しました。
今回はその「”事業主側から労働者に通知する義務のある事項”」について学んでいきたいと思います。
・労働条件の明示とは?
・絶対的明示事項って?
・相対的明示事項って?
・今後のルール改正はいつ?内容は?
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・労働条件の明示とは?
労働条件の明示に関する現行法のルールを整理していきましょう。
労働契約を締結する際、正社員、パート、アルバイトなどの雇用形態にかかわらず、すべての労働者に対して必ず明示することが必要な事項を「絶対的明示事項」と言い、それに加え、制度があれば明示することが必要な事項を「相対的明示事項」と言います。
※相対的明示事項は記載しなくてもよいということではないので注意が必要です。
・絶対的明示事項って?
絶対的明示事項は以下の通りです。
- 労働契約の期間に関する事項
- 就業場所・従事すべき業務に関する事項
- 始業・就業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇などに関する事項
- 賃金の決定、計算・支払方法、賃金の締め日・支払日、昇給に関する事項
- 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
なお、雇用する相手が、パート・アルバイトなどの短時間契約者や期間の定めのある有期労働契約者の場合は、労働基準法、パートタイム労働法の定めにより、以下の項目も絶対的明示事項に加わります。
- 期間の定めのある労働契約の更新の有無、判断基準に関する事項
- 昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無に関する事項
- 雇用管理の改善などの相談窓口に関する事項
・相対的明示事項って?
相対的明示事項は以下の通りです。
- 退職金に関する事項
- 臨時に支払われる賃金、賞与に関する事項
- 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
- 安全・衛生に関する事項
- 職業訓練に関する事項
- 災害補償・業務外の疾病扶助に関する事項
- 表彰・制裁に関する事項
- 休職に関する事項
・今後のルール改正はいつ?内容は?
2024年4月から労働条件明示のルールが改正となり明示事項が追加されることになりました。
- 「就業場所・業務の変更の範囲」の明示
- 「更新上限の有無と内容」の明示
- 「無期転換申込機会」の明示
- 「無期転換後の労働条件」の明示
以上が追加事項となり、それぞれの明示のタイミングについても注意が必要です。
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いかがでしたでしょうか。
今回は明示事項やルール改正について学んでいきました。
次回はルール改正の内容、明示のタイミングについて深堀していきたいと思います。
こういったルール改正や改正後の対応は簡単なことではありません。
ぜひこの機会に社会保険労務士法人Aimパートナーズへお問い合わせください。