【解説】建設業の2024年問題とは?
2023年12月21日
「2024年問題」というものを耳にするようになった方も少なくないかもしれません。これは2019年に施行された「働き方改革関連法」で時間外労働の上限規制が適用されるというもので、建設業界は5年間の猶予措置がありました。ですがその猶予も、2024年3月末に期限を迎えることとなり、そう呼ばれています。
同じように物流業界でも2024年問題はありますが、今回は建設業の2024年問題を解説していきます。
・時間外労働させるには?
・今までの時間外労働の上限は?
・上限規制後は?
・罰則は?
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・時間外労働させるには?
まず大前提として、時間外労働をさせるためには「36協定」の締結が必要となります。
次に、所轄の労働基準署へ届け出が必要となります。
最後に、労働者への周知が必要となります。
・今までの時間外労働の上限は?
今までの建設業の時間外労働の上限はなく、36協定を締結していれば制限なく残業をさせても労働基準法違反にはなりませんでした。しかし、2024年4月以降は建設業においても、一般企業と同様に時間外労働の上限規制の対象となります。
・上限規制後は?
今回の改正で、建設業も原則「月45時間、年間360時間」までとなり、臨時的・特別な事情がない場合、これを超えることはできなくなりました。また、臨時的・特別な事情があり、特別条項の締結をした場合でも以下の時間を上回らないようにしなければなりません
- 年720時間(月平均60時間)
- 年720時間の範囲内で
- 2~6か月の平均でいずれも80時間以内(休日出勤を含む)
- 単月100時間未満(休日出勤を含む)
- 原則(月45時間)を上回る月は年6回を上限
・罰則は?
前述の通り、これまでの建設業には、時間外労働の上限はなく、当然罰則もありませんでした。しかし、2024年4月からは一般企業と同様に、罰則付きの上限となり、違反した場合には罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科せられる可能性があるので注意が必要です。
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いかがでしたでしょうか。
今回は建設業の2024年問題についてお話ししました。
建設業に限らず、36協定の届出についてのご質問やご相談はぜひ社会保険労務士法人Aimパートナーズまでご連絡ください。