多様な働き方~裁量労働制について~
2024年3月21日
裁量労働制や変形労働時間制、フレックスタイム制のように、従来の働き方とは異なる働き方が注目を集めてくるようになりましたが、みなさんは制度や運用方法をご存じでしょうか。
今回はその中のひとつである「裁量労働制」を学んでいきたいと思います。
【目次】
・裁量労働制とは?
・裁量労働制の種類って?
・それぞれどんな業務?
・企業側、従業員側のメリットやデメリットは?
・残業代は?
・裁量労働制の導入、継続に関する手続きは?
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・裁量労働制とは?
裁量労働制とは、あらかじめ定めた時間を働いたものとみなして賃金を支払う制度です。
労働者が自らの裁量で働く時間を決められるため、上手に運用できれば生産性向上につながりますが、すべての職種にできないなどの注意点があります。
・裁量労働制の種類って?
上記の通り、裁量労働制はすべての業務・職種に適用できる制度ではありません。
厚生労働省では裁量労働制が適用できる業務は「業務遂行の手段や方法、時間配分を大幅に労働者に委ねる必要がある業務」としており、裁量労働制には以下の2種類があります。
- 専門業務型裁量労働制
- 企画業務型裁量労働制
・それぞれどんな業務?
- 専門業務型裁量労働制
専門業務型裁量労働制の対象となるのは、「業務の性質上、業務遂行の手段や時間配分等を大幅に労働者に委ねる業務として、厚生労働省令及び大臣告示で定められた専門的な業務に従事する労働者」です。
具体的にはこちらをご覧ください。
- 企画業務型裁量労働制
企画業務型裁量労働制の対象となるのは、「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、業務の性質上、これを適切に遂行するために、業務遂行の手段や時間配分等を大幅に労働者に委ねる業務に従事する労働者」です。
具体的にはこちらをご覧ください。
・企業側、従業員側のメリットやデメリットは?
裁量労働制には企業側、労働者側それぞれにメリットとデメリットがあります。
- 企業側のメリット・デメリット
【メリット】
・労務管理の負担が軽減される
・社員満足度が高まり多様な人材の確保に有効
【デメリット】
・制度導入の手続きの負担が大きい
- 従業員側のメリット・デメリット
【メリット】
・自分のペースで働くことが出来る
・働き方次第で労働時間を短縮できる
【デメリット】
・自身の業務管理が出来ないと負担が大きくなる
・残業代は?
裁量労働制は、労使協定により定めた時間をみなし労働時間として適用されます。そのみなし労働時間が法定労働時間である8時間を超えて設定されている場合は8時間を超過している時間分は割増率を乗じた金額に相当する賃金を給与に含めて支給しなければなりません。
また、22時を超える深夜業務や休日出勤には割増賃金が発生するので注意しましょう。
・裁量労働制の導入、継続に関する手続きは?
2024年4月1日以降、新たに、または継続して裁量労働制を導入するためには新たな手続きが追加されていますので注意しましょう。
詳しくはこちらをご覧ください
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いかがでしたでしょうか。
業種や職種で左右される働き方ではありますが、該当される企業様はぜひこの機会に社会保険労務士法人Aimパートナーズまでお問い合わせください。