会社に求められる安全配慮義務とは?
2024年5月2日
安全配慮義務という言葉は見聞きしたことがあるかとは思いますが、実際どういったものが安全配慮なのか、逆に違反となるのかなど、わからない方が多いかと思います。
今回は会社に求められる安全配慮義務についてお話していきたいと思います。
【目次】
・安全配慮義務とは
・安全配慮義務違反とならないためには?
・どういった措置をするの?
・安全配慮義務違反となった事例
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・安全配慮義務とは
会社は、雇用する従業員に対して、心身ともに安全で健康な状態で仕事が出来るための適切な配慮をするという義務を負っています。労働契約法題5条のおいてその旨が明記されており、会社が措置を怠ると法律により責任を追及されます。
・安全配慮義務違反とならないためには?
従業員が事故にあったり病気になったりする前に防止措置を取ることが重要です。
しかし、一言で「安全に配慮する」といっても内容は様々です。
そのため、義務の内容は、職種や業務内容、労務提供場所など、具体的状況により異なりますので注意しましょう。
・どういった措置をするの?
具体的には以下の項目が挙げられます。
- 労働時間の管理を徹底し過重労働とならないようにする
- 健康診断で異常があった場合、医師の意見に従い配置転換や労働時間の短縮等を行う
- 安全衛生教育や装置、機器の設置・点検を行う
- ハラスメントを防止する取り組みを行う
・安全配慮義務違反となった事例
【過重労働の事例】
労働時間が長すぎたり、業務による負担が大きすぎたりして、過剰なストレスを与える会社の行為は、安全配慮義務違反とされる典型例のひとつです。
業務量や労働時間は、会社が管理できますから、配慮を怠り健康を害すれば、会社の責任といえます。
造園業の労働者が、熱中症で死亡したケースでは、次の事実から安全配慮義務違反と認めました。(大阪高裁平成28年1月21日判決)
- 具合が悪くなったことを認識した後も、労働者の状態を確認しなかったこと
- 高温環境を脱するために適切な場所での休養をさせなかったこと
- そのまま労働者を現場に放置したこと
- 心肺停止状態まで救急車を呼ぶ措置を取らなかったこと
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いかがでしたでしょうか。
今回は安全配慮義務の意味や違反の具体例について学んでいきました。
事故や病気が無いことはもちろんですが、万が一あった場合に安全配慮義務違反と認められると、会社のリスクが非常に大きいものになりますので前もって対応しておいた方が良いでしょう。
そういった事態になる前に是非、社会保険労務士法人Aimパートナーズまでご連絡ください。