育児・介護休業法③(2025年4月1日、10月1日改正・施行)
2025年3月28日
社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
前回は介護休業法4月1日改正施行についてご紹介しました。
今回は育児休業法の10月1日改正の施行内容について解説いたします。
【目次】
♦柔軟な働き方を実現するための措置等
♦仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮
♦まとめ
♦柔軟な働き方を実現するための措置等
(1)育児期に柔軟な働き方を実現するための措置
① 始業時刻等の変更
・フレックスタイム制
・始業・終業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる制度(時差出勤の制度)
② テレワーク等(10日以上/月)
・一日の所定労働時間を変更せず、月に10日以上利用できるもの
③ 保育施設の設置運営等
・保育施設の設備運営その他これに準ずる便宜の供与をするもの
(ベビーシッターの手配および費用負担など)
④ 就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇
(養育両立支援休暇)の付与(10日以上/年)
・一日の所定労働時間を変更せず、年に10日以上取得できるもの
⑤ 短時間勤務制度
・一日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むもの
〇事業主は、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に関して、上記5つの選択して講ずべき措置の中から、
2つ以上の措置を選択して講ずる必要があります。
そして労働者は、事業主が講じた措置の中から1つを選択して利用することができます。
ただし、事業主が講ずる措置を選択する際、過半数組合等からの意見聴取の機会を設ける必要があります。
(2)柔軟な働き方を実現するための措置の個別の周知・意向確認
<周知時期>
労働者の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間
(1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日まで)
<周知事項>
① 事業主が(1)で選択した対応措置(2つ以上)の内容
② 対象措置の申し出先(例:人事部など)
③ 所定外労働(残業免除)・時間外労働・深夜業の制限に関する制度
<個別周知・意向確認の方法>
① 面談 ② 書面交付 ③ FAX ④ 電子メール等 のいずれか
※①はオンライン面談も可。③・④は労働者が希望した場合のみ
♦仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮
(1)妊娠・出産等の申出時と子が3歳になる前の個別の意向聴取
〇事業主は、労働者が本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た時と、労働者の子が3歳になるまでの適切な時期に、
子や各家庭の事情に応じた仕事と育児の両立に関する以下の事項について、労働者の意向を個別に聴取しなければなりません。
<意向聴取の時期>
① 労働者が本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出たとき
② 労働者の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間
(1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日まで)
<聴取内容>
① 勤務時間帯(始業および終業の時刻)
② 勤務地(就業の場所)
③ 両立支援制度等の利用期間④
④ 仕事と育児の両立に資する就業の条件(業務量、労働条件の見直し等)
<意向聴取の方法>
① 面談 ② 書面交付 ③ FAX ④ 電子メール等 のいずれか
※①はオンライン面談も可。③・④は労働者が希望した場合のみ
(2)聴取した労働者の意向についての配慮
〇事業主は、(1)により聴取した労働者の仕事と育児の両立に関する意向について、自社の状況に応じて
配慮しなければなりません。
<具体的な配慮の例>
・勤務時間帯、勤務地にかかる配置
・両立支援制度等の利用機関等の見直し
・業務量の調整
・労働条件の見直し 等
♦まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の育児休業法の改正施行により、育児休業の対象となる従業員に対する個別の意向確認と制度の説明が義務付けられます。
これは特に、妊娠・出産を申し出た労働者や配偶者の出産予定を申し出た男性労働者に対して適用され、企業は対象者に対して書面や面談などで取得意向を確認し、制度の詳細を分かりやすく伝える必要があります。企業には対応のタイミングや内容に関する記録の管理・周知体制の整備などが求められ、対応漏れがあれば法令違反となる可能性もあるため、十分な準備が必要です。
意向確認・周知の方法等をどのようにしていけばよいかわからない、といったお悩みをお持ちの方はまずはお気軽に社会保険労務士法人Aimパートナーズまでお問合せください!
次回は介護休業法の10月1日改正施行について紹介していきます。
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