育児時短就業給付金
2025年4月11日
社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
前回は出生後休業支援給付金についてご紹介しました。
今回は同じく2025年4月1日に創設された育児時短就業給付金について解説いたします。
【目次】
♦育児時短就業給付金とは(支給対象者・支給要件)
♦支給対象となる時短就業(育児時短就業)
♦支給対象期間
♦支給額
♦支給申請手続きと添付書類
♦まとめ
♦育児時短就業給付金とは(支給対象者・支給要件)
2歳に満たない子を養育するために所定労働時間を短縮して就業した場合に、賃金が低下するなど一定の要件を満たしたときに支給される制度となります。対象となるのは雇用保険に加入している労働者となります。
〇受給資格
- 2歳未満の子を養育するために、1週間当たりの所定労働時間を短縮して就業する被保険者であること
- 育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き、同一の子について育児時短就業を開始したこと、または育児時短就業開始前2年間に、賃金支払い基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある)完全月が12か月あること。
〇各月の支給要件
① 初日から末日まで続けて、被保険者である月
② 1週間当たりの所定労働時間を短縮して就業した期間がある月
③ 初日から末日まで続けて、育児休業給付又は介護休業給付を受給していない月
④ 高年齢雇用継続給付の受給対象となっていない月
※支給対象とならないケース
・育児休業期間の末日の翌日(復職日)から起算して、育児時短就業を開始した日の前日までの期間が14日を超えてしまう場合
・月の途中で離職し、被保険者資格を喪失した場合
・週所定労働時間20時間未満の労働条件で転職した場合
♦支給対象となる時短就業(育児時短就業)
育児時短就業給付金の支給対象となる時短就業(育児時短就業)とは、2歳に満たない子を養育するために、被保険者からの申出に基づき、事業主が講じた1週間当たりの所定労働時間を短縮する措置のことをいいます。
短縮後の1週間当たりの所定労働時間に上限・下限はありません。育児・介護休業法に基づく所定労働時間の短縮措置(1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含むもの。)に限らず、2歳に満たない子を養育するために1週間当たりの所定労働時間を短縮した場合は、育児時短就業として取り扱います。
フレックスタイム制や変形労働時間制度の適用を行けている場合、適用期間内における総労働時間を短縮して就業するときは育児時短就業として取り扱います。
裁量労働制もみなし労働時間を短縮して就業するときは育児時短就業として取り扱われます。
♦支給対象期間
育児時短就業給付金は、原則として育児時短就業を開始した日の属する月から育児時短就業を終了した日の属する月までの各暦日について支給します。以下の①~④の日が属する月までが支給対象月になります。
① 育児時短就業に係る子が2歳に達する日の前日
※「子が2歳に達する日」とは、2歳の誕生日の前日をいいます。
② 産前産後休業、育児休業または介護休業を開始した日の前日
③ 育児時短就業に係ることは別の子を養育するために育児時短就業を開始した日
の前月末日
④ 子の死亡その他の事由により、子を養育しないこととなった日
※その他の事由
・子の離縁又は養子縁組の取消(子が養子の場合)
・子が他の者の養子となったこと等の事情により当該子と同居しなくなったこと
・特別養子縁組の成立の審判が確定することなく終了したこと、または、養子縁組里親である被保険者への委託の措置が解除されたこと
・被保険者の疾病・負傷、または身体上・精神上の障害により、子が2歳に達するまでの間、子を養育することができない状態になったこと
♦支給額
① 支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金額の90%以下
育児時短就業給付金の支給額=支給対象月に支払われた賃金額 ✕ 10%
② 支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金額の90%超~100%未満
育児時短就業給付金の支給額=支給対象月に支払われた賃金額 ✕ 調整後の支給額
③ 支給対象月に支払われた賃金額と、(1)又は(2)による支給額の合計額が支給限度額を超える場合
育児時短就業給付金の支給額=調整後の支給額 - 支給対象月に支払われた賃金額
♦手続き申請時期と添付書類
〇手続き申請時期
・育児時短就業を開始し給与支給後に申請
・申請は原則として2つの支給対象月について2か月ごとに行う
※被保険者の方が希望する場合は、1つの支給対象月について1か月ごとに支給申請を行うことも可能
・申請期限は支給対象月の初日から起算して4ヶ月以内
〇添付書類
・出勤簿、賃金台帳
・労働条件通知書(時短就業以前のもの)
・育児時短勤務申出書(出産予定日記載のもの)
・口座情報 ※育児休業給付金申請時の情報から変更なければ不要
・母子手帳(出生届出済証明ページ)
※育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き、同一の子について育児時短就業を開始した場合は母子手帳の提出は不要
♦まとめ
いかがでしたでしょうか。
育児時短就業給付金の導入により、企業は時短勤務を希望する従業員への制度説明と対応がより重要になります。給付金は労働者本人が受け取るものですが、企業が証明書類の作成や就業実態の把握を適切に行うことが前提となります。運用ルールを就業規則に明記し、育児との両立支援を積極的に行うことが企業の信頼や人材定着にもつながります。
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