算定基礎届(定時決定)とは?~詳しく解説~
2024年6月20日
毎年6月の中旬以降に日本年金機構から送られてくる書類で「算定基礎届」というものがあります。
これは健康保険・厚生年金保険(以下、社会保険)の被保険者の実際の報酬と、現在の標準報酬月額に大きな差が生じないために毎年一度行う手続きです。
今回は算定基礎届についてお話していきます。
【目次】
・標準報酬月額の決定方法とは?
・算定基礎届とは?
・算定基礎届の注意点
・保険者算定について
—————————————————————————————————————————————
・標準報酬月額の決定方法とは?
社会保険の標準報酬月額の決定方法はいくつかあり、「取得時決定」「定時決定」「随時改定」「育児休業等修了時改定」があります。
それぞれの決定方法は以下の通りです。
- 取得時決定:被保険者の資格を取得する際に届出した報酬により決定
- 定時決定:4月5月6月の報酬をもとに届出し決定
- 随時改定:固定的賃金の変動があった月以降3か月の報酬をもとに届出し決定
- 育児休業等修了時改定:育児休業等の終了日の翌日が属する月以後3か月の報酬をもとに届出し決定
「定時決定」と「育児休業修了時改定」は報酬の支払基礎日数が17日未満の月がある場合はその月を除いて決定されますが、「随時改定」の場合はいずれの月も報酬基礎日数が17日以上必要となりますので注意しましょう。
※随時改定についてはこちら
・算定基礎届とは?
算定基礎届とは上記の通り、毎年一度7月10日までに行う手続きで「定時決定」といいます。
事業主は7月1日時点で在職中の社会保険の被保険者を対象に4月5月6月の報酬を記載・届出し標準報酬月額を決定します。
決定された標準報酬月額は、9月から翌年の8月まで適用されます。
届出用紙には、5月中旬ごろまでに取得の届出をされた被保険者の氏名や従前の報酬月額等が印字されています。
※5月31日以前に資格取得した方の情報が記載されていない場合は、直接追記しましょう。
また、二以上の事業所に勤務する方に関する届出用紙は、選択事業所を管轄する事務センターから別途送られてきます。
※二以上事業所勤務届についてはこちら
・算定基礎届の注意点
前述の通り、報酬の支払基礎日数が17日未満の月は除外し届出ますが短時間就労者や、特定適用事業所に勤務する短時間労働者に関しては条件がそれぞれ違いますので日本年金機構のHPを参照し手続するようにしましょう。
また、以下の方は算定基礎届の提出が不要となります。
- 6月1日以降に資格取得した方
- 6月30日以前に退職した方
- 7月改定の月額変更届を提出する方
- 8月または9月に随時改定が予定されている旨の申し出を行った方
※8月または9月の随時改定が不該当となった場合は、算定基礎届の提出が必要となるので注意しましょう。
詳しくは上記のリンクよりご確認ください。
・保険者算定について
4月5月6月の報酬の平均で標準報酬月額を算出することが著しく不当である場合は、年間報酬の平均で算定することができ、これを保険者算定といいます。
保険者算定を申し立てる場合は算定基礎届とともに添付書類が必要となりますのでご確認ください。
詳しくはこちら
—————————————————————————————————————————————
いかがでしたでしょうか。
労働保険の年度更新に続きこれから行う手続きである算定基礎届ですが、万が一手続きが漏れていたり誤っており、後々指摘を受けた場合、遡っての手続きとなり保険料も遡って発生したりと労務トラブルになる可能性がありますのでぜひこの機会に社会保険労務士法人Aimパートナーズまでお問い合わせください。